気をつけたい「お悔やみ」「ご冥福」を使ったメールの例文と注意点
皆さまこんにちは。玉野で仏事のお手伝いをして40年、相賀佛光堂です。
よくある葬儀・葬式・法要のマナーの心配ごと、今回のテーマは「お悔やみメールの送り方」についてご紹介します。
メールはビジネスからプライベートまで、様々な場面で使われる便利なコミュニケーションツールです。弔問に伺うことが難しい時など、友人や同僚、上司、取引先などお悔やみの言葉をメールで伝えることが増えています。しかし、「ご冥福」「お悔やみ」という言葉は、日本の社会で広く使われる慣用表現ですが、これらの言葉を使う際には気をつける点がありますので、注意点や例文をご紹介します。
◆そもそも・・・お悔やみの文をメールで送ってもいいのか
メールでお悔やみのメッセージを送ることは問題ないとされています。
特に親しい間柄ではメールやLINEで訃報の知らせを受ける場合もあるのでしょう。その返信として追悼の言葉を伝えるのは自然な流れといえるでしょう。
ただし、自分より目上の方、昔ながらの礼儀を重んじる方も多くいます。電話で伝えた方がいいと思われる方には、直接電話で弔意を伝えるといいでしょう。
◆「ご冥福を」の意味
●ご冥福とは・・・
仏教に基づいたお悔やみの言葉で、亡くなった人の魂が安らかに休まることを祈る表現です。冥福[めいふく]と読み、冥は「冥土[めいど](死後の世界)」、福[ふく]は幸福や幸せを意味します。つまり、「ご冥福をお祈りします」という言葉は、故人の魂が穏やかに眠り「死後の世界での幸せを祈っています」という意味合いを持ちます。
必ず、最初に「故人様のご冥福・・・」や「○○様のご冥福・・・」と付け加えるようにしましょう。
◆どちらを使えばいいか?
「ご冥福をお祈りいたします」?「お悔やみを申し上げます」?
●故人へは「ご冥福をお祈り申し上げます」
死後の世界での幸せを祈りますよ。という意味になります。
●親族へは「お悔やみを申し上げます」
故人を亡くした家族の無念、悔やみきれないお気持ちを、慰めて差し上げたいという意味になります。
◆「ご冥福をお祈りします」を使うときの注意点
宗派によっては「ご冥福をお」不適切な場合があります。絶対に使用してはいけないわけではありませんが、気にされる方がいらっしゃることを覚えておきましょう。
●浄土真宗
この宗派では、亡くなられた方はすでに浄土(極楽)へと往生し、無条件の救済を受けているとされます。したがって、「ご冥福をお祈りします」という言葉は、「死後の世界である冥界に迷い込む」という意味に捉えられてしまいますので、必要ないとも言えます。代わりに、「お悔やみ申し上げます」といった言葉を伝えるといいでしょう。
●神道
神道の考えでは、死者の霊は神霊として敬われ、ご先祖様と共に家の守り神となると考えられているため、その存在は一部の祭りや神事で祀られます。したがって、故人の冥福を祈るという概念は神道の考え方にはふさわしくないかもしれません。ここでは、「御霊[みたま]が穏やかにお休みすることを願っております」「御霊[みたま]の安らかな眠りをお祈り致します」などの表現が適切かもしれません。
●キリスト教
キリスト教では、死後の魂の救済は信仰に基づいており、死は「地上での罪を許されて天に召される」こととされています。そのため、「ご冥福をお祈りします」の代わりに、「安らかな眠りにつかれますよう、お祈りいたします」のような言葉を伝えるといいでしょう。
◆メールの例文
<親族が亡くなった場合の例文>
件名: 心からお悔やみ申し上げます
〇〇伯父様の訃報、深くお悔やみ申し上げます。これまでのご厚情に感謝いたします。
〇〇伯父様のご冥福を心よりお祈りいたします。
本来であれば直接伺うべきところではございますが、メールでのお悔やみとなり申し訳ありません。
心身ともに大変な時だと思いますが、体調を崩されないようご自愛ください。
後日、改めてお伺いいたします。
<親しい友人の親が亡くなった場合の例文>
件名: 心からお悔やみ申し上げます
訃報を聞いたときは、本当に驚きました。心からお悔やみを申し上げます。
野球チームの試合に応援に来てくれていたことや、会えば声をかけてくれた笑顔を鮮明に思い出します。
何か力になれることがあれば、いつでも連絡してください。
<会社の同僚へのメール例文>
件名:(ご自分のフルネームもしくは“部署名”一同)よりお悔やみ申し上げます
このたびはご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
大変な時期かとは思いますが、気を落とさずお身体に気をつけてください。
仕事のことで何かお手伝いできることがあれば、いつでもお声がけください。
<浄土真宗の方へのメール例文>
件名: 心からお悔やみ申し上げます
ご家族の訃報、深くお悔やみ申し上げます。
お父様の安らかなご永眠を心よりお祈りいたします。
あなたとご家族が安らかに過ごせますよう、心から願っております。
<神道の方へのメール例文>
件名: 心からお悔やみ申し上げます
ご家族の訃報、深くお悔やみ申し上げます。
御霊のご平安をお祈り申し上げます。
<キリスト教の方へのメール例文>
件名: 心からお悔やみ申し上げます
ご家族の訃報、心からお悔やみ申し上げます。
お父様が安らかな眠りにつかれますよう、お祈りいたします。
葬儀では、決め事や対応が多く、忙しく準備に追われている方もいらっしゃいます。
メールであれば手が空いたときに確認することができるため、メールを受ける側にとっては助かることもあります。言葉選びの配慮、親しい間柄であってもメールを送って終わりにせず、別の日に口頭で伝え、相手の気持ちに寄り添うことを心がけましょう。
また、法要やご葬儀に関してわからないことがある方や、準備が難しい方は相賀佛光堂にご相談ください。
相賀佛光堂は、玉野市・岡山市南区エリア(旧灘崎町、迫川、荘内、常山、八浜、宇野、築港、直島、豊島)で「地元とともに生きる」葬儀社です。
地元で安心して葬儀をあげていただけるよう、まごころを込めてお客様に寄り添いサポートいたします。