葬儀にまつわる風習「逆さごと」ってなあに?
皆さまこんにちは。玉野で仏事のお手伝いをして40年、相賀佛光堂です。
よくある葬儀・葬式・法要のマナーの心配ごと、今回のテーマは「葬儀にまつわる“逆さごと”の風習」についてです。
死という通常とは違う事態に対処するため、昔からの人々はさまざまな工夫をして、死者を生きている人の領域から切り離そうと考えていました。いつもとは逆のことをする“逆さ事”のような習慣が今でも残っている地域があるのはご存知でしょうか。豆知識として少しご紹介いたします。
◆北枕
北枕とは、故人の頭が北向きになるように寝かせることを言います。
お釈迦様が亡くなられた際、頭を北の方角へ向けていたことが由来です。
友達の家や修学旅行など、いつもとは違う部屋に泊まった時「北はどっち??」と誰かが聞いて、北枕にならないようにした記憶はありませんか?
◆故人の着物は左前で着せる
納棺する前に亡くなった人に着せる衣装のことを死装束と言います。
生きている人が着物を着る際の袷は右前ですが、死装束のときは左前で着せます。
「この世とあの世は真逆の関係にあるから死装束も逆に着せる」というものです。
「この世に留まることなく真っすぐあの世へ行けるように」と願いを込めて、死装束は縫い目の糸止めがされていないのが特徴です。
◆死装束の紐を縦に結ぶ
通常の蝶結びではなく、縦に結ぶことです。
縦結びは、結んだ紐の輪や紐の先が根元の紐と垂直になるように結びます。
◆屏風を逆さに立てる
逆さ屏風といい、故人の枕元に屏風を逆さまに立てかける風習が残っています。
屏風の絵柄が天地逆になるようにします。
◆逆さ水
通常適温に調節する場合はお湯に水を注ぎますが、その逆の工程をふみ水にお湯を注ぎ、適温に調節したお水のことです。
逆さ水は、湯灌(ゆかん)で故人の体を洗う際に使われます。
死を生者の領域から隔絶させるための演出というべきもので、それが「逆さ事」という形であらわされました。現在のお通夜が夜に執り行われる傾向にあるのは、あの世とは昼夜が逆転しているため、向こうの世界が明るい時間帯に送り出そうという考えがあったことが由来出そうです。
逆さ事は宗教的な儀式ではないため必ずしも行わなければならないことはありませんし、地域によって風習は違います。ご家族で話し合ってどこまでを行うかを決めておくとよいでしょう。
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